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第29次(通算63次) 全学教育研究集会第3部 2025年1月24日~25日 新名学園旭丘高等学校

1日目(1月24日)

国語・数学・英語・理科・社会・総合技術・体育・情報の公開授業を行いました。

国語
高校一年生は「言語文化」と「現代の国語」、各二単位で週四時間国語の授業を受けています。今回は学業進学クラスで行っている「言語文化」の授業をお届けします。内容は和歌です。和歌といえば身近なのは百人一首かるたかと思われますが、暗記した記憶がある方も多いのではないでしょうか。和歌にこめられた意味は、「歌意」として国語の資料集にまとめてありますが量が多いので楽しんで学べる方法を考えました。そんな活動を班で行う授業です。

本実践を行うにあたって、事前に教科会合で国語科の先生方から助言をいただき当日を迎えることができました。私は教科会合に時間割の都合上参加できないため、放課後の時間を無理に調整していただき大変な苦労をかけてしまいました。また、教務の先生方、資料が遅くなり申し訳ございません。  当日は、終了時間をオーバーしてしまい、生徒たちの作品の講評も不十分なものとなってしまったのが悔やまれます。しかし、今回の授業は3学期の単元「和歌」の学習の一部として、今後の授業にもつながりがあるので、生徒たちとやり取りしながら、少しでも文学作品の背景や内容・文法知識が生徒の記憶に残るようにしていきたいです。当日までに5回の授業がありましたが、その振り返りを導入で行えたことで生徒が過去の授業内容を覚えているか確認できたのが良かったです。  指導案には、2つの班を競わせるような内容を記載しましたが、直前に生徒たちの様子を振り返ってみて、文学的な創作活動をじっくり行うことを好み、深く考える姿勢があることに改めて思い至り、直前で手順を変更しました。そのためゲーム的な要素は少なくなりましたが、生徒たちは持統天皇の「春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山」(歌意:春が過ぎ去って、夏が来てしまったらしい。真っ白な着物を干すという天の香具山に、夏着が干してあるよ。)という歌に対し、よく向き合っていました。資料(図書)で渡し忘れたものがあったので、やはり緊張しすぎたときに自分がどうなるか事前に思い出せるようにメモしておくなど対策して、授業に万全の体制で望みたいと思います。  上西先生からは、あたたかい励ましのお言葉と、国語教育の現状と展望をお聞かせいただき、今後の教材づくりにいかそうという前向きな気持ちを持つことができました。生徒へ教科書で紹介したかった部分へのスムーズな導入ができそうなので、改めて教材研究を進めて万葉集から俵万智(たわら・まち)までつなげていきたいと思います。

社会
 2024年度、神奈川県秦野市在住の佐々木家は、長女が中学3年生・次女が小学4年生となった。長女、中学3年生の1年間を振り返った。夏の部活引退までの生活〜冬に控える高校受験。ひとり親世帯の家計は圧迫。来年度は高校生。もっとお金がかかることは想定できる。佐々木家の生活を安心へと導いてくれる策はあるのか?私立高校に通う高校生と一緒に、社会の課題と日本の法律について考える。

  社会科では「社会科としておこなうあらゆる活動は『日本国憲法』『旧教育基本法』『子どもの権利条約』の理念に基づき、特に生徒の学習権を保障し、教師の教育実践の自由の原則を貫くものとする。生徒に『科学的に物事を見(観)る力』『物事の本質を見抜く力』『だまされない力』をつけ、真に主体者としての生きる力を獲得させることを目的とする。」という方向のもと、活動をおこなってきています。今回の授業でどこまで迫ることができたか考えるところはありますが、授業を深められる様に今後も教科で話し合っていきたいと思います。 実践者としては、今回のテーマや授業内容に興味関心を多く持って頂けた事を実感し、やってみて良かったという思いが一番です。しかし、終わってみると、「なぜ、この家庭にはこのような生活困難さが生まれているのか?」など班で話し合いをさせれば良かった。家計の支出を班で電卓を持たせ計算させても良かった。など反省が多く残りました。以前であればやっていた内容や変更も他クラスで実践し、変更することができる構成を練りましたが、今回は1回限りの授業だったためです。もう少し考えれば良かったと思いました。その中でも生徒たちは、しっかりと考え理解してくれたことに、この3年間の成長を感じました。

数学
 数学科では長年にわたり「わかる・楽しい・規律ある授業」づくりと「自主教材」づくりに取り組んできました。本年度もこの方針に沿って実践します。今回の公開授業では2学年普通科進路選択講座で数学B[期待値]を行い、確率から物事の全体像を見ていく中で代表値と実際の値を比較させていく授業です。授業を通じて、物事を読み取る力や他者の意見のみに左右されることなく、自分自身で判断する力を本時の授業で育んでいきたいと考えています。

目標、わかる楽しい授業づくり、社会で騙されない力をつける、この方針を持っている。これに基づき考えた。クリエイティブクラスの数学Bを選んだ。普段は班ではやっていない。基礎基本。本日は班活動。出来るだけ生徒が一緒に授業を作ったんだという実感を。期待値の計算方法手順の確認。手を動かし実感。考察。この3段構成。正直時間が足りなかった。 机間巡視をしながら生徒の声を聞きながらやった。生徒の本音はいかに。日常的に数学に関心を持ってくれている生徒がこれだけいるという事実。今日で言えば、苦手な練習問題、課題に協力しながら作業してくれたこと。教科担任として嬉しかった。3つの構成の中の、最後急ぎ足になった部分、最低限生徒たちも受け止めてくれたのではないか

理科
旭丘高校理科では、防災や減災だけでなく、自然を科学することで自らの生活を創り出すことを4つの力で表現してきました。身近な現象を実験などを通して主体的に学び、共同し、自分事として考えることを授業を通して実践課題としてきました。今回は3年間の理科学習の総まとめとして、RX(科学と人間生活)の学習成果発表会を行います。今年度の公開研究授業については、実践者は「教科」としました。自主編成の特徴ともいえる3年普通科での実践です。「科学と人間生活」(学内ではRX)の4講座を今年はクロムブックを最大限活用し各講座での発表だけでなく、学年での交流(12月13日実施)を行いました。当日は4講座から6つのレポート発表が行われました。本公開研究授業では各講座1つの班の発表を行います。

①ICTの使い方について様々な意見をいただきました。例えば、学習の定着は「手書き」の方が高いという結果が出ている反面、実際に「意見をいう」ということはハードルが高い。ICTを使うことでイメージがわきやすく、学習への導入や振り返りには有効である。 ②相互評価により教員からの評価だけではなく、仲間同士の意見交換やお互いの学びを高め合うことができる。 ③ICT(特にインターネット)の情報を正しく活用することを学ぶ必要がある。正しいとされていたものが、数年経てば間違えているということもある。学びは「正しい事実」が基本だが、その事実が変わってしまう「今」を生きているということを意識して授業づくりを行う必要がある 生徒は、3年間クロムブックの活用を積極的に行ってきたため、プレゼンテーションは一定の高い水準で作成し発表を行うことができた点は良かった。12月の上旬までに各講座で発表会をもち、代表が12月13日に学年全体の場で発表、学年からの評価の結果から今回の4班の発表となった。学年全体の場での発表をすることや今回の発表により、他講座との交流や他講座の内容を聞くことでさらに学びを広げることができたことは良かった。生徒同士の「評価」はとても優れていると感じた。ただダメ出しするのではなく、〇〇な点が良かったなど成果の面を全面に出していた点、そのうえで改善したほうが良い点も自分の意見をとして伝えていた。
相互評価シート

体育
 保健体育科では、千葉醇也先生が武道Ⅱ(相撲)を取り上げる。旭丘高校ではスポーツ進学クラスが新設されたときから必修授業として組み込まれて、礼法や実技を中心に生徒に学ばせている。今回の授業では、基本動作を中心に展開していく。相撲は、実際テレビなどで見る取り組みは、止まることなく進んでいくがその一つ一つの動作には意味を持っていて、なぜその動きをするのか、その意味は何なのかを説明しながら授業を展開していく。その理解が深まるとまた違った視点で、相撲の取り組みが見られると思う。日本の伝統文化、相撲の素晴らしさを今回の授業を通して様々な人に見てもらいたい。

今回、スポーツ進学クラスの必修科目である「武道Ⅱ(相撲)」を行わせて頂きました。 授業内で礼法・基本動作①を主に行い、武道の基本である内容をわかりやすく生徒に伝え、習得し次の授業へ繋げて行く目標を持ち取り組みました。 たくさんの先生、保護者の皆様にお越し頂き感謝しております。 合評会でも、制野先生を初め教職員の先生方や父母の皆様からご指摘やご意見を頂き今後の教育活動へ活かしてより良い授業を展開・発展させて行こうと思いました。 未熟ではありますが、今まで先生方が作られてきた授業の歴史を大切に今後とも勉強し、精進して参ります。 ご協力いただいた2年UB組の生徒も慣れない環境の中、とてもいい反応や意見が出て良い授業でした。

英語
 2年次に行う長崎修学旅行の事前学習を兼ね、大石先生が1年UA組で実践を行う。日本被団協がノーベル平和賞を受賞したことをふまえ、選考委員長であるフリードネス氏が英語で行った一部スピーチの日本語訳を考えさせるとともに、生徒たち自身に「平和な国際社会を築くために何が必要か、どう行動すべきか」についてメッセージを作成、発表させる(時間の都合から、本時は日本語で考えさせ、次回英文を作成する予定)。本校英語科では、「世界平和、民族共生、民主主義、人権擁護、環境保護のため世界の人々の理解、交流、連帯を深める」ことを英語教育の目的に置いており、その本質に向き合う授業となることを期待する。 

1)毎回こういった実践は緊張しますが、生徒が積極的に参加してくれ自分たちの意見をしっかりと話してくれたので実践者としては緊張がほぐれ楽しく授業をすることができました。生徒の皆さんありがとうございました。 2)授業の内容については、前半パートと後半パートで分けて授業を行えばよかった(スピーチの内容や生徒の発言をもっと丁寧に扱いたかった)と合評会で発言したのですが、一方で、2回に分けて授業することで間延びしてしまう可能性もありました。もっと触れたい部分もありましたがそこは我慢し、後半パートまで進めることで生徒のテンポを落とさずに済んだのかもしれません。通しでやることで「意訳した時の班討議の熱量」を持ったまま、「平和についての班討議」に繋げることができました。(日をまたいだらその熱量が下がっていまうので、)結果としては前半パート・後半パート分けずに取り組めて良かったと一周回って考えています。 3)後半部分では生徒のそれぞれの想いがアウトプットできていました。できるだけ教員の発話の時間を減らしました。今後も生徒の発話の時間を多くとりたいと思います。 4)アウトプットに関しては班討議中にクロームブックを打っている生徒がいると話し合いに集中できないと感じ手書きにしました。結果としてクロームブックを使わなくてよかったです。普段の授業中や休み時間もクロームブックに頼って英語の訳をしてしまったり、不要なことをしてしまっている生徒、デジタル機器に依存してしまっている生徒もいます。クロームブックの扱いについては今後も検討したいと思います。 5)準備の段階で英文を何度も読みこみました。英語を訳すことで発言者の意図が徐々に読み取れました。自分で訳すからこそ内容も頭に入ってくるのだと改めて感じ、内容をどんな日本語にしたらよいか何度も考えました。英語を学ぶ楽しさを久々に感じました。そういった感覚を生徒にも伝えていきたいです。 6)平和学習については長崎修学旅行もあり続けていきたいです。スピーチの中にはwe have a duty to fulfil the mission of the Hibakusya. A new generation of brave voices, interested students and willing teachers is needed.(私たち全員に被爆者の使命を果たす義務がある。勇敢な声、関心のある生徒、意欲的な教員が必要とされている。)とあります。できることは限られているかもしれないが継続的な活動をしていきたいです。 7)藤田先生、教材を貸していただきありがとうございました。事前準備で使わせていただきました。英語科の先生方、多くのご助言をくださりありがとうございました。

商業
  情報Ⅰはワープロ・表計算等のパソコンを活用した実技的な授業と共に座学での授業にも取り組んできた。検定試験が控える中ではあるが、情報の捉え方というものを通して、情報を収集し、そこから問題解決に結びつけることや情報を身近な生活と結び付けることが改めて必要であると考えた。
 人の営みを分析する社会科学とは何かという点に授業者の問題意識がある。この単元では情報を収集する技術のみではなく、それらをどのように捉え、活用するのかという点を中心にしながら授業を展開していきたい。

これまで情報Ⅰの公開研究授業では「プログラミングをどのように生徒に教えるのか」という点の授業が展開されていました。本年の公開研究授業では情報Ⅰが共通テストに導入されたこともあり、「情報の読み取り」や「情報の分析」という点を主眼に置いて授業を展開しようと考え、今回の授業実践に繋げました。共通テストの見本問題を見た際に、用語の暗記だけでは対応することができない問題が出題されているという点から、この授業実践に至りました。  授業の狙いである部分については生徒の感想を読み取ると、達成することができたのではないかと思います。生徒の感想の中で「今日の授業では、動画、写真、表でどのような情報が得られるのかということをやりました。動画のほうがわかりやすいと私は思っていましたが、動画には動画のデメリットがあったし、その他の情報ツールもメリットとデメリットが両方混在しているとおもいました。また、それを受け取る人によってわかりやすさも変わってくると思いました。」というものがありました。授業を考える中で、果たして写真・動画・文字情報の3点の違いについては難しいのではないかと思い、グループワークが成り立たないのではないかという懸念がありました。しかし、実際の授業で各グループで生徒が考え、交流している姿を見て、安心をしました。生徒感想より、「緊張した」という声があり、実践者からみてもいつものA組よりも静かであったと思います。授業環境が変わった際でも生徒が安心して授業を受けることができ、日常の力を生徒が出せるような声掛けが必要だと感じました。授業の雰囲気づくりについても次回の課題としたいと思います。

総合技術
 2年生総合選択の【農作】の単元の一つ「土について学ぼう」は、①天地返しについて、②土壌の栄養について、③植物にとって良い土の構造とは、④土壌の隙間(単粒構造・団粒構造)について、の4項目に分かれており、本時はその中の③植物にとっての良い土の構造とはを実践する。農作において欠かすことのできない土づくりを体系的に学ぶことで、植物についての理解をさらに深めながら技術と知識の習得を目指す。また、ある問題に対して小集団での討議や発表を経て物事の真理に近づいていく「主題-探求-表現」というプロセスが授業内で展開されるように働きかけることも本時の目標となっている。

本当の意味で教員になれたような気持ちになれました。初めて自分の実践を「良かった!」と思えました。今までは「どのように導入するか」「どう楽しいと思ってもらうか」ばかりに着目していましたが、学びとは「仲間の知識や生活、生きてきたことを共有しあって高めあう時間だ」という概念が本当の意味でやっと腑に落ちたため、実践をつくるのが楽しかったです。 今回は、生徒が自由に実験し考え、発言できるよう、どんな結果が出てきてもその化学反応を楽しもうと思えました。しかし、全てを自由にすると「何をしたらいいか」と迷って楽しめない様子が目に浮かんだので、ざっくりとした説明書をつくり、でも何を何度やっても、どういう量でも良いなど幅を持たせました。そのことを福井先生に「良い意味での余白」と表現してもらえてとても嬉しかったです。 そういう意味で、まとめについては非常に悩みました。その場で出てきた答えを使ってまとめようと思うがあまり結局しゃべり過ぎてしまいました。アドバイスがあった通り、まとめは更なる出てきた疑問を生徒に言わせたり、もっと生徒が全面に出るようなまとめがしたかったなと思います。 でも、今回のこの授業を今日だけのものとせず、何回も改良して(もう一度このクラスでやって、生徒に改良してもらっても面白いな、と思っています)また実践したいと思います。とにかく楽しく自分の元気につながる、前向きな時間を過ごせました!!


2日目(1月25日)

午前講座 「地域の被爆者の話を聞く」 講師:福島富子氏(神奈川県原爆被災者の会副会長)

・長崎原爆の被害
・世界の原爆
・生後6か月半で被爆
***次世代へ伝えたいこと***

午後講演Ⅰ「いま、なぜ無償教育なのか」 三輪定宣氏(旭丘高校理事・私学教育研究所所長、千葉大学名誉教授)



講演Ⅱ「父母・生徒にとって学校とは何か」 太田政男氏(新名学園私学教育研究所共同研究者、大東文化大学元学長・名誉教授)

感想(生徒・保護者)
〇今回の教研Ⅰ日目、国語科と英語科の授業は見る側、社会科は授業を受ける側として参加した。国語は言語文化の授業で、大高先生の授業を初めて見る授業だったので、楽しみにしていた。題材は百人一首で班でそれぞれ協力し、現代風に訳すこと、五七五七七にまとめて詠むというものだった。大高先生が大事にしていらっしゃる記憶の引っ掛かりをつくる、楽しく学ぶということを実践しているような授業だった。また、英語の大石先生の授業も初めて見た。英語の平和賞委員会のスピーチを国語、英語で要約にするという授業だった。英語の授業を見て思ったのは、班でひとつのものを話し合い意見をまとめるということは、国語としてもどの教科も自分なりに捉えることが大切で見えた。国語なら現代風、英語なら英語で表現を理解しながら自分の意見を短い言葉でまとめるという一限ずつ発表していてとてもよかった。もう普通の授業を高校で受けることはないが、これからの大学、社会に出たときに活かしたいと思うような時間だった。(3年A組)

〇私はC班でブロックの授業を受けました。1時間目の数学ではグループワークがとてもよかったと思います。その理由は会話をすることで脳が活性化し、考える力が増えるという点、分からない部分をすぐにピアから教えてもらえるところがよかったと思いました。授業を見ながら実際に解いてみたのですが、全国展開できて良かったです。次に2時間目の総合技術の授業で農業の授業を班で活動するものでしたが、生徒が足りなかったので自分も他教職人が授業に混じり入って授業を受けました。最初実験の時間を20分と言われた時は長いなと思ったのですが、実験をやっていくうちに20分あっという間で色々なやり方が試せたことに気づきました。3時間目の武道Ⅱの授業では相撲について理解し学びました。まわしを締める作業を見ていたのですが、見ている以上にきれいに締めることが大変なのだろうなと思いました。 合評会では先生方の考え方だったり、共同研究者の方々の意見を聞くことにより授業に対しての関心がありました。発言は少ししかできませんでしたが、合評会に出れてよかったなと思います。(1年C組)

〇戦後80年の節目にあたり、第2次世界大戦の被爆者の高齢者の言葉は今も心に残りました。私は実際に被爆した方の言葉を生で聞いたのは初めてでした。そこで高齢者さんは「被爆者だけど、被爆体験を語ることができない」と言っていましたが、3年後に交流証言をするために体験を伝えていこうという思いが伝わってきました。自分たちにできることを今から実践していこうと思いました。 最後に一緒に参加した太田先生の話を聞いて、本当に大事なことだと思いました。自分が苦しんでないから大丈夫、他人のことだから大丈夫ではなく、誰かが苦しんでいるその立場で自分と比較して考えようと思いました。何事にも「人権」があるので、これからも人としてやれることをやって、良い成果を生み出せるように頑張っていきたいと思いました。(1年B組)

〇自分が普段授業を受けているだけでは気づくことのできなかった先生方の授業をより生徒たちに興味深くさせる工夫、計画・考えを「授業を見る」といういつもとは違う立場から知ることができ、先生方の授業での動きに初めて注目した機会でした。参加してみて、月曜日からの授業を受ける気持ちが以前よりも積極的になったと思います。 午後からの合評会では主張別の、先生方、生徒、助言者の方や実践者の先生などの視点からそれぞれお話や意見、経験を聞き多くの刺激を受けました。相原の感想の一つでもある相原にいつも体育科の先生ただけでなく、保護者の方、共同研究者の方の色々な方面からスポーツとして、武道として、一つの歴史としてお話を聞けたことが印象に残っています。発言の機会をいただき、まだまだ完璧ではない自分の言葉ですが、振り返ってきた人がいて、さらに意見を届ける力をつけていきたいなと自分の成長意欲が高まりました。この全学年研究会が行われている学校はまだ少ないと聞きました。今回参加して相原だけでなく他校の授業づくりにも興味を持ちました。この全学年研究会をもっと沢山の学校に広めていけたらと新たな目標が一つ増え、今学期から始まった生徒会活動に力を入れていこうと改めて思いました。(1年C組)

〇神奈川県に在住するナガサキでの被爆者・福島さんのお話を聞いて、被爆したことによって差別を受けることや障害が子どもにうつってしまうのではないかという思いや経験をする人が、戦争がなければ生まれなかったと思うと、戦争はよくないものだと今まで以上に思いました。被爆者が受賞しなければ報道されないという唯一の被爆国であるのに、あの旅行などで沢山「核兵器」や「平和」について学ぶ、考える機会が多くあったからこそたくさん関心を持つことができたので、学んだことを伝えていきたいです。氷点下の中でパレードを行っていたので「伝える」ということを諦めてはいけないなと思ったし、私たちも周囲の人から伝えるということを始めたいと思います。 2学年総合学科修学旅行総括を報告しました。時間の都合で感想を聞くことができなかったので、少し残念な気持ちもありますがこういった場で報告できたことに価値があるのかなと思いました。被団協がノーベル平和賞を受賞したのは知っていたけど、被爆経験のない被爆者が伝える話、修学旅行とはまた違ったお話を聞くことができよかったです。(2年A組)

〇原爆被爆者の会のお二方の話を聞いて考えたことが二つあります。一つ目は、福島さんの最初の話で出てきた着物についてです。ただ話をするのではなく、着物を着てそこにいる人たちの注目を浴びながら話をする機会を与えてもらっているのがとてもすごいと思いました。大学生に着方を教えたり、帯に「peace」や「和」と刺繍をしていて福島さんや被爆者の方々の様々な気持ちが込められていると思いました。二つ目は、私たちが私学助成金の運動をしているように、福島さんたちも海外や日本の小学校などに話を沢山しにいっていたことに少し親近感がわきました。また、日本は少し無関心になってきている中で海外には少しずつ知ってもらえたり、ノーベル平和賞をとれていて少しずつでも日本が変わっていくべきだなと思いました。 これから私が修学旅行に行くにあたって考えたことがありました。最初は長崎って何があるか分からないし、他の高校のほうが魅力的だと思っていたけれど、今日の話を聞いて私がもっとちゃんと知るべきだと思いました。また、被爆者の方から直接話を聞けるのはとてもありがたいと思いました。今日の福島さんや木本さんのお話のおかげで長崎の修学旅行が楽しみだと思いました。(1年UA組)

〇Cブロックの公開研究授業を参観しました。1時間目の「数学B」は、生徒の興味を引きつけるように、くじゃトランプといった生活に関連付けた問題で敷居を低くし分かりやすかったです。グループワークで協力する感じも数学という堅苦しいイメージとは違ったゲーム感覚があり、よかったと思います。2時間目の「総合技術・農業」はIUでお世話になる方々の協力もあり、実際の作業を見ながら楽しく学ぶことができました。息子が農業の授業が楽しいと言っていたので興味がありました。私も父が生きていた時は実家が農家だったこともあり、田んぼや畑を手伝っていた時もありますので、土について学ぶ授業を見ていて昔を思い出しておりました。生徒たちはグループで実験をしながら土の様子を観察して、生徒同士のディスカッションで答えを導き出すことでより深く学べるのかなあと思いました。3時間目の「体育・武道Ⅱ」は、テレビで大相撲は見ますが、授業を拝見して一つひとつの動作の意味を知ることで相撲の見え方が変わりそうで、もっと詳しく知りたいと思ってしまいます。1校時のコマでは時間が短いですね。ぜひ次回も参加したいです。(保護者)

〇 もう一度平和について考える機会になり、今日は参加してよかったです。私自身も旭丘の卒業生ですが、日々の生活の中で平和に対する思いや戦争に対する関心が薄れていたと思います。どうしたら平和になるのか?家庭は社会の縮図だと思います。家族が仲良くしていくことが平和への一歩かなと感じました。まだまだ知らないことも沢山あります。今日は本屋に寄って黒い雨を買って帰ります。 (保護者)

〇 他校では聞いたことがない修学旅行です。私も高校を選ぶ際に入試説明会では、多くが海外や沖縄への修学旅行の話が生徒募集の材料とされ、正直言うと旭丘高校に「今時長崎?」と、私が高校で行ったところというのが衝撃でした。しかしながら、この1年この学校の修学旅行には平和と次世代へつなぐ並々ならぬ思いが次第に見えてきて、来年娘が何を学ぶのかと楽しみになってきました。私の父は昭和4年生まれで志願兵でした。父親が10歳の時に死亡し、母と妹の生活保険の為だったと。特攻訓練を受け、あと数日で旅立つ、という時に終戦したそうです。原爆の他にも戦争体験を語る人に来てもらうのも良いと思います。 (保護者)

〇旭丘高校の修学旅行において、原爆について学ぶ取り組みがとても良いと思いました。合唱構成も心に響くものを感じました。聞く、学ぶ、考える、語り継ぐことが重要だと思います。この場だけで終わらずに後世へこの活動を継承していくことが高校生たちが原爆について学ぶ意味があると思います。この活動や修学旅行、教育会をぜひ多くの人に参加してもらい、続けていくことが大事だと思いました。 (保護者)

〇三輪定宣先生の話では、明確に私学助成が実現できるプランを提示していてすごく分かりやすかった。そして、改めて高校側や大人が声を上げ、進めてくれるところにありがたさを感じた。その後生徒の話や私学助成運動に参加した保護者から心無い言葉を通行人に言われれと聞き、私も「どうせ無理」と言われ、悲しかったことを思い出した。しかし、その後の生徒の話で「自分たち学ぶ側、払う立場じゃないと分からないのか」など意見が出て、自分の中でなるほどと思った。実際に署名をしてくれたのは親や小さい頃教育を受けたくても受けられなかった話していたおばあちゃん、おじいちゃんばかりでその立場じゃない人にも、社会の一員として訴えることが大切と思った。 太田先生の話は私自身教育の在り方、歴史なんて考えたこともなかったので興味深く、一人の学生として知れてよかった。また、今まで私学助成運動を進める中で「私は自分で選んだから」と弱気になることがあった。でも、公平な教育の話のおかげでこれからは自信をもって話せると思う。他の生徒も話していたが、この取り組みや活動を旭丘だけに留めず、広げることが大切だと感じた。(1年)

〇ありがとうございました。2日目の午後のみ参加させていただきました。いつも「外から旭丘を見ていた」のだなと大変反省した次第です。太田先生、三輪先生のお話は大局を踏まえた原則的なお話だったと感じています。こうしたお話を教員だけでなく、生徒・保護者と聞く、そして議論ができる場があることを羨ましく、また素晴らしいと思います。生徒・保護者の発言はいずれも「自分事」化していて、深い意識、根幹を突くものが多かったと感じています。学校・教員・生徒・保護者・地域・多くの人々が支えあうことでそれぞれの場がより豊かになることを再認識しました。(私教連)

たくさんのまなびと気づきのある研究集会になりました!


2024年度

第29次(通算63次)旭丘高等学校全学教育研究集会

<第3部> 授業と教育課程づくり教育研究集会

〔公開研究授業実施要綱〕

日時:2025年1月24日(金)・25日(土)   場所:旭丘高等学校
                                          主催:旭丘高等学校全学教育研究集会実行委員会                                                            〒250-014神奈川県小田原市城内1-13  
                                                                 電 話:0465(23)3787 
                                                                 FAX:0465(23)5944 
実  施  要  綱

【第29次旭丘全学教研第3部テーマ】
 子ども・生徒の発達と豊かな学びの創造
-学校づくりとかかわって授業づくり・教育課程づくりを考える-

【テーマの具体化】
1)子ども・生徒の「発達の状況」を教育実践の視点で分析・評価する
2)自主編成と総合学習の視点を切り口にし、授業・教育課程を評価する
3)授業づくり・教育課程づくりを学校づくりの視点で検証する
4)子ども・生徒の声から出発する授業づくり・教育課程づくりを進める
-生徒・全学・地域共同の学校づくりと授業・教育課程づくりを進める

【今次教研の基調と位置づけ】

  1. 全学教研第1部〔基調教研〕・第2部〔運動教研〕の基調と到達点を踏まえた第3部(実践教研)とする。

  2. 教育目標と建学の精神の今日的意義を検証する実践教研とする。

  〇将来の学校像(生徒像・カリキュラム像・制度像・施設像)を無償教育・公費助成運動との創り出す教研とする。
 〇憲法・教育基本法・子どもの権利条約の理念に基づく「地域立・市民立の私学づくり」の土台をつくることと結んだ教研とする。
 ○学校づくりの現段階の課題である教育課程改革・校務分掌改革及びそれと結んだ制度・運営の改革を図る教研とする
 ○陶冶と訓育を結んだ広義の教育課程づくりを進める。
○建学の精神の継承による「生活と教育の結合」の実践を平和・人権・環境などの人類史的課題を地域の課題の中でとらえ直し、総合学習を柱とした授業づくり・教育課程づくりを検証する教研とする。
(3) 生徒の発達要求・学習要求・進路要求から授業づくり・教育課程づくりを考える実践教研とする。
 ※全学協議会などの場で明らかにされて来た生徒の授業と学習にかかわる要求・要望に応える回答的実践の場とする。
 〇生徒の実態をどうつかむか。
  ・社会と生活現実の事実の中で子ども・生徒を見る。 ・発達要求、発達課題との関連で子ども・生徒を見る。
 〇生徒の授業・学習への要求を進路要求との関連でつかむ。
 〇生徒の実態と要求から授業づくりを検証し改善を図る。
(4) より良い学校づくりをめざす全学協議会(「生徒」・「父母」・「教職員」の三者及び公教育私学としての課題と学校づくりの到達から「学園」・「地域」の参加)が結成された到達点をふまえ、生徒・父母・地域・市民等の参加と共同による実践教研とする。
 ○生徒の権利としての学校参加、授業づくり・教育課程づくりへの参加を保障し、生徒会の「参加・自治・学び」づくりを進めるための教研とする。
 ○生徒・父母・国民の願いに応えた学校づくりを共に力を合わせて進めるための教研とする。
 ○子ども・青年と地域の現実から出発する教育課程づくりを共同で進める教研とする。
 ○生徒会の学習要求をうけとめる。-生徒の学習要求に基づく教研参加権利行使の過程を同時に生徒の民主的主権者としての権利行使育成の過程として捉える。参加を基礎づける生徒集団の自治-ホームルームづくりを進める視点をもつ。
 ○生徒を学習の主体とする指導観・指導方法づくりを進める教研とする。
 ○生徒・父母が参加する授業研究の意味と方法を明らかにし、生徒・父母の学校参加と授業評価の問題についても深めていく教研とする。
(5)授業づくり・教育課程づくりの課題から次の柱で公開研究授業と合評会を行ない、新たな授業方法・教育評価のあり方を考え、改善する教研とする。
 ○各教科の自主編成と授業づくりを検証する公開研究授業
 ○総合学習-「産業社会と人間」、総合・自由選択科目、「課題研究」、「総合B」の今年度の授業実践と教科カリキュラムづくりの到達を踏まえ、教育課程づくりに係る公開研究授業

【運営の指針】
 全学教研の運営については、教研実行委員会と校務分掌(教務)とで教研運営団が組織される。運営団のもとに実務体制をくむ。運営団の事務局には、実行委員会の事務局である六者懇談事務局があたる。また、運営にかかわっては、参加と共同の授業研究としての公開研究授業づくりの到達点として次の点が確認されている。

〈1日目〉各教科の公開研究授業と合評会について

 ※各教科は、教科方針にそって、教科としての今年度公開研究授業と合評会の「ねらい」を設定する。
 ※各実践者は、「ねらい」にそって、各教科集団の援助を受けながら「指導案」を作成する。
1)「教科のねらい」をつくる
 ・教科方針・目標と教科カリキュラム(シラバス)の中での公開研究授業の位置づけを明確にすること。
 ・生徒認識(=生徒実態〔学力・学習意欲・学習態度・進路等〕の把握)をふまえて、目標、内容、方法、評価活動をつくる。
2)指導案を作成し、配布する。
 ・上記の「教科のねらい」との関連で授業の目標にそって指導の構造を明らかにする。
 ・実践検証(分析)の基礎材料となる。
3)授業記録(スケッチなど)をつくる
 ・検証・研究の材料となる。
4)分析者を置く-各教科ついては、科内・科外の分析者を置く。
 ・科内分析者→科内の授業研究の課題から→科内合評会につなげる。
  ・科外分析者→学校の教育目標から        ブロック別合評会につなげる。
             関連教科から
5)1日目各教科の公開授業は3ブロックに分けて行なう。
 ※3ブロックは、それぞれの教科を基礎となる科学の体系にそってまとめる形がとられている。今次は運営上の調整
を行った。
6)すべての授業に共同研究者を位置づける。
7)各教科ブロック別合評会の司会・運営は教務グループ(現職係)が行なう。
8)生徒・父母・地域の合評会参加を位置づける。特に授業を受講した生徒の参加(評価・分析・感想・要望などの発表)を重視する。(所属ホームルームのホームルームづくりとの関連でも取りくむ。)

〈2日目〉総合学習の公開研究授業と合評会について

 ※2日目は総合学習の授業づくりの検証を行なう。

1)実践担当者は、それぞれの分野の授業づくりについて、この間の全学教研で検証されてきた到達点と課題をふまえて授業のねらいを設定する。
2)指導案を作成し、配布する。
3)合評会の分析者・司会者は実行委員と教務から位置づける。
 ※授業スケッチは分析者と司会者で打ち合わせて担当を決め作成する。
4)すべての授業に共同研究者を位置づける。
5)生徒・父母・地域の合評会参加を位置づける。特に授業を受講した生徒の参加(評価・分析・感想・要望などの発表)を重視する。

〔1〕公開研究授業第1日目

 時間
ブロック
1校時9:15~10:05
2校時10:20~11:10
3校時11:25~12:15
ブロック別合評会13:15~


Aブロック
教科/科目
商業・情報Ⅰ(実 践 者進士 勇介)
理科・総合理科(理科教師集団)

司会:奈良
共同研究者
阿部英之助氏
三石 初雄氏

Bブロック
教科/科目
国語・言語文化(大髙 めい)
英語・英語コミュニケーションⅠ(大石 洋)
社会・公共(佐々木 貴子)

図書室
司会: 藤田
共同研究者
上西 信夫氏
萩原 一郎氏
桜井千恵美氏

Cブロック
教科/科目
数学・数学B(中村 直貴)
総合技術・農業(後藤 愛実)
体育・武道Ⅱ(千葉 醇也)

司会: 杉山
共同研究者
小寺 隆幸氏
福井 庸子氏
政野 俊弘氏


2〕各教科の公開研究授業内容と実践者

 Aブロック 
教科
教科目
内容
実践者

商業 情報Ⅰ
情報Ⅰはワープロ・表計算等のパソコンを活用した実技的な授業と共に座学での授業にも取り組んできた。検定試験が控える中ではあるが、情報の捉え方というものを通して、情報を収集し、そこから問題解決に結びつけることや情報を身近な生活と結び付けることが改めて必要であると考えた。
 人の営みを分析する社会科学とは何かという点に授業者の問題意識がある。この単元では情報を収集する技術のみではなく、それらをどのように捉え、活用するのかという点を中心にしながら授業を展開していきたい。

理科 総合理科
旭丘高校理科では、防災や減災だけでなく、自然を科学することで自らの生活を創り出すことを4つの力で表現してきました。身近な現象を実験などを通して主体的に学び、共同し、自分事として考えることを授業を通して実践課題としてきました。今回は3年間の理科学習の総まとめとして、RX(科学と人間生活)の学習成果発表会を行います。今年度の公開研究授業については、実践者は「教科」としました。自主編成の特徴ともいえる3年普通科での実践です。「科学と人間生活」(学内ではRX)の4講座を今年はクロムブックを最大限活用し各講座での発表だけでなく、学年での交流(12月13日実施)を行いました。当日は4講座から6つのレポート発表が行われました。本公開研究授業では各講座1つの班の発表を行います。

Bブロック
国語 言語文化
高校一年生は「言語文化」と「現代の国語」、各二単位で週四時間国語の授業を受けています。今回は学業進学クラスで行っている「言語文化」の授業をお届けします。内容は和歌です。和歌といえば身近なのは百人一首かるたかと思われますが、暗記した記憶がある方も多いのではないでしょうか。和歌にこめられた意味は、「歌意」として国語の資料集にまとめてありますが量が多いので楽しんで学べる方法を考えました。そんな活動を班で行う授業です。

英語 英語コミュニケーションⅠ
2年次に行う長崎修学旅行の事前学習を兼ね、大石先生が1年UA組で実践を行う。日本被団協がノーベル平和賞を受賞したことをふまえ、選考委員長であるフリードネス氏が英語で行った一部スピーチの日本語訳を考えさせるとともに、生徒たち自身に「平和な国際社会を築くために何が必要か、どう行動すべきか」についてメッセージを作成、発表させる(時間の都合から、本時は日本語で考えさせ、次回英文を作成する予定)。本校英語科では、「世界平和、民族共生、民主主義、人権擁護、環境保護のため世界の人々の理解、交流、連帯を深める」ことを英語教育の目的に置いており、その本質に向き合う授業となることを期待する。 

社会 公 共
2024年度、神奈川県秦野市在住の佐々木家は、長女が中学3年生・次女が小学4年生となった。長女、中学3年生の1年間を振り返った。夏の部活引退までの生活〜冬に控える高校受験。ひとり親世帯の家計は圧迫。来年度は高校生。もっとお金がかかることは想定できる。佐々木家の生活を安心へと導いてくれる策はあるのか?私立高校に通う高校生と一緒に、社会の課題と日本の法律について考える。

数学 数学B
数学科では長年にわたり「わかる・楽しい・規律ある授業」づくりと「自主教材」づくりに取り組んできました。本年度もこの方針に沿って実践します。今回の公開授業では2学年普通科進路選択講座で数学B[期待値]を行い、確率から物事の全体像を見ていく中で代表値と実際の値を比較させていく授業です。授業を通じて、物事を読み取る力や他者の意見のみに左右されることなく、自分自身で判断する力を本時の授業で育んでいきたいと考えています。

総合技術 農業講座
2年生総合選択の【農作】の単元の一つ「土について学ぼう」は、①天地返しについて、②土壌の栄養について、③植物にとって良い土の構造とは、④土壌の隙間(単粒構造・団粒構造)について、の4項目に分かれており、本時はその中の③植物にとっての良い土の構造とはを実践する。農作において欠かすことのできない土づくりを体系的に学ぶことで、植物についての理解をさらに深めながら技術と知識の習得を目指す。また、ある問題に対して小集団での討議や発表を経て物事の真理に近づいていく「主題-探求-表現」というプロセスが授業内で展開されるように働きかけることも本時の目標となっている。

体育 武道Ⅱ
保健体育科では、千葉醇也先生が武道Ⅱ(相撲)を取り上げる。旭丘高校ではスポーツ進学クラスが新設されたときから必修授業として組み込まれて、礼法や実技を中心に生徒に学ばせている。今回の授業では、基本動作を中心に展開していく。相撲は、実際テレビなどで見る取り組みは、止まることなく進んでいくがその一つ一つの動作には意味を持っていて、なぜその動きをするのか、その意味は何なのかを説明しながら授業を展開していく。その理解が深まるとまた違った視点で、相撲の取り組みが見られると思う。日本の伝統文化、相撲の素晴らしさを今回の授業を通して様々な人に見てもらいたい。


〔3〕公開研究授業第2日目(場所:ホール)

受付
9:30~12:30
13:30~17:30
<講座Ⅰ>旭丘高校のナガサキ修学旅行の取組を検証する。
- 戦後80年・
「被団協」ノーベル平和賞受賞。
核兵器廃絶。地域被爆者の声を聴く。
本校教員による実践報告 -

昼休憩
教育づくり・学校づくり講座
<講座Ⅰ>「今なぜ無償教育なのか」
 講師:三輪 定宣 氏(新名学園私学教育研究所長、千葉大学名誉教授)
<講座Ⅱ>「父母・生徒にとって学校とは何か」
 講師:太田 政男 氏(新名学園私学教育研究所共同研究者、大東文化大学元学長・名誉教授)

〔4〕総合学習公開研究授業

内  容
☆被爆講話をしてくださる方
 福島富子(フクシマ トミコ)さん〔神奈川県原爆被災者の会 副会長〕
 ※生後6ヵ月の時に長崎で被爆。神奈川県葉山町在住。「和 Peace(ピース)」と刺しゅうされた帯を締め、着物姿で平和を訴えてきた。2024年12月に開かれた日本原水爆被害者団体協議会(被団協)へのノーベル平和賞授賞式に合わせ、ノルウェー・オスロを訪問。被爆当時の記憶はないが、長崎市の「交流 証言者」として他の被爆者の体験も伝えている。
☆旭丘高校での平和学習の一環である国語科による「ナガサキの郵便配達」実践や、2学年における「ナガサキ修学旅行(事前・現地・事後)」の取り組みを報告し、検証する。
〔5〕公開研究授業合評会の進め方 
1)公開研究授業合評会の視点
 イ.各教科のねらいと本時授業の目的(1年間のカリキュラムとその中での位置づけなども含めて)を共通認識し、それに照らして教材・授業展開等を評価する。
 ロ.実践者の指導案にそって、具体的、客観的な事実(授業スケッチ等)に即して分析・批評をすすめる。
 ハ.学習主体としての生徒の発言、及び子ども(生徒)の成長・発達に強い関心と教育要求を持っている生活者としての父母の発言から、授業の目的と内容、展開についての評価を得る。
  ・授業の中でどのような生徒の認識の変化や価値の獲得があったのか
  ・教師の教えたいことと生徒の学びたいこと、父母がわが子に学ばせたいこととの関連での評価
 ニ.全学教研合評会での分析・評価を各教科での授業研究につなげていく。
  ※これについては、事後、各教科で再度分析・評価を深め、その記録を教務部がまとめ、査定会で報告・発表する。それらの取り組みを通して明らかになった課題を、次年度のカリキュラムづくり(教科方針、教科での授業研究-科内公開研究授業、セミナーづくり、科内シラバスづくり等)につなげていく

2)司会・進行について
 イ.指導案にそって
 ロ.授業記録にそって
 ハ.具体化(書記は次の教科とする)
  a.実践者の自己分析(自己評価)
      -どのように授業のねらいを立てたのか。それが具体的な場面でどのように通ったのか、通らなかったのか
  b.生徒の感想・評価 (註)実践者側が学習者(生徒)に対して本時の「学習のめあて」を提示することを要望したい
  c.科内・科外分析者の分析・評価
  d.教職員・父母の感想・評価
  e.討論
  f.助言者(共同研究者)の指導(言)
  g.実践者の感想

3)展開にあたっての課題
 〇各教科の今年度方針と公開研究授業の「ねらい」にそって、授業の展開とその中の生徒(子ども)の具体的な姿から検証を行なう。
  →指導のねらい(目的)は何か
   ・なぜ教えるのか ・なぜ学ぶのか ・どのように教えるのか ・どのように学ぶのか
  →生徒の声の中から具体的につかむ
    ・どんな点がおもしろくためになったのか
    ・どんな点がわかり、できるようになったのか
    ・どんな点が新しい学びとなったのか
    ・どんな点がわかりにくかったのか、要望は何か

〔6〕共同研究者プロフィール

【国語】上西信夫(うえにし のぶお)氏〔文芸教育研究協議会〕
○略歴 千葉県公立小学校で教員を務め、退職。文芸教育研究協議会(文芸研)委員長
大東文化大学特別講師、全国教研(教育のつどい)国語分科会共同研究者を務める。
明星学園小学校教育アドバイザー
○著書/共著 『文芸研・国語教育事典』明治図書,『教えから学びへ・国語』大月書店、
文芸研教材研究ハンドブック『モチモチの木』等

【社会】桜井千恵美(さくらい ちえみ)氏〔歴史教育者協議会副委員長)
 ○略歴 1954年生まれ、茅ケ崎市社会科教員を38年間務める。退職後6年間歴教協事務局長。
2022年から副委員長となる。

【数学】小寺隆幸(こでら たかゆき)氏〔元京都橘大学教授〕
 ○略歴 1951年生まれ。名古屋大学数学科卒、東京学芸大学教育学修士。東京の公立中学校で32年間数学
教員として務めた後、京都橘大学児童教育学科教授・京都大学数学科教育法非常勤講師として10年間勤務。明治学院大学国際平和研究所研究員。和光学園理事。
 ○著書 『世界をひらく数学的リテラシー 』明石書店、
『主体的・対話的に深く学ぶ算数・数学教育』ミネルヴァ書房 他

【理科】三石初雄(みついし はつお)氏〔元東京学芸大学教授〕
 ○略歴 1948年生まれ。1973年~1982年私立中/高校で理科物理非常勤講師。その後福島大学教育学部
助手・講師・助教授・教授を経て、2001年東京学芸大学教員養成カリキュラム開発センター教授、
2014年帝京大学大学院教職課程研究科教授2019年退職。東京学芸大学名誉教授。
 ○著書 『教育基本法と科学教育』(創風社) 2003 『理科教育』(一藝社)2016等

【保健体育】制野俊弘(せいの としひろ)氏(和光大学現代人間学部教授)
 ○略歴 1966宮城県生まれ。宮城教育大学大学院修了。日本体育大学大学院後期博士課程修了。宮城県石巻
市で中学教師(保健体育)として27年間勤務した後に現職。研究活動としては、「体育科教育学」の
中でも、特に「体育では何を教えるか」を中心に、「教科内容」研究に力を入れている。

【英語】萩原一郎(はぎわら いちろう)氏〔神奈川大学他非常勤講師・新英語研究会常
任委員〕
 ○略歴 神奈川県立高校6校で38年間教鞭をとったあと、都留文科大学特任教授を経て現職。主に中高の英
語教員養成にかかわる。新英語教育研究会全国常任委員、ELEC同友会英語教育学会運営委員。
○著書 主な共著書に『若手英語教師のお悩み解決BOOK』(2017,大修館書店)、
高校検定教科書FACTBOOK English Logic and  Expression Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ(桐原書店)。
「中高連携を意識した英語授業づくり~困難校でも進学校でも役立つ中高連携の視点~」
(ジャパンライム・オンデマンド)。

【商業(情報)】阿部英之助(あべ えいのすけ)氏〔大東文化大学社会学部・准教授〕
○専 門 技術・職業教育、高校職業教育、地域と教育。
 ○共著書 阿部英之助・原健司・林萬太郎(2023)「高校総合学科の現状とその果たしてきた役割」
『民主教育研究所年報』第22号,阿部英之助ほか(2013)日本産業教育学会編,
『産業・職業教育ハンドブック』学教育出版, また、15年以上にわたり山形県鶴岡市にて行政と連携した
フィールド調査を学生とともに実践している。

【総合技術】福井庸子(ふくい ようこ)氏〔大東文化大学経営学部准教授〕
 ○専門分野:教育学(キーワード:社会教育学、キャリア教育、博物館学)
 ○略歴 2010/01/26(学位取得) 早稲田大学 博士(教育学)
          2011/04~大東文化大学 経営学部 専任講師
          2021/04~大東文化大学 経営学部 准教授
  ○作成した教科書・教材 2009/04 おさえておきたい教育法規
                          2010/03 教育実習テキスト
             2024/03 実践キャリアデザイン(大東文化大学版)

● 三輪 定宣 氏(みわ さだのぶ)
 ○略歴 千葉大学名誉教授、元日本教師教育学会会長。1937年静岡県生まれ。東京大学教育学部卒業、同大学院博士課程単位取得満期退学。教育行財政学、教師教育学専攻。現在、「国民のための奨学金制度の拡充をめざし、無償教育をすすめる会」会長。
○著書 『教育の明日を拓く』『教育学概論』『無償教育と国際人権規約』など。『三輪定宣業績一覧』には著作
1256点掲載(2021年現在)。

●太田 政男 氏(おおた まさお)
 ○略歴 長野県長野市生まれ。1969東京大学教育学部卒業。1971東京大学大学院教育学研究科修士課程修了。
1976東京大学大学院教育学研究科修士課程単位修得満期退学。1976大東文化大学文学部教育学科専任
講師、1981同助教授、1987同教授。2010~2017まで第15代大東文化大学学長。教育科学研究会
副委員長、埼玉社会教育研究会会長。
 ○著書 『人を恋う』蕗薹書房1996、『人を結う』ふきのとう書房2001、
『若者のなかの世界・世界のなかの若者 若者たちの生きづらさと希望』ふきのとう書房2002